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2022.04.25
  • お知らせ

子供のフッ素塗布の効果

新学期・新生活が始まる4月も、もう1カ月が過ぎようとしています。そろそろ学校では歯科検診が行われる頃ですね。

歯科検診では

ムシ歯がないかどうか
歯肉が腫れてないかどうか
噛み合わせに異常がないかどうか
歯磨きができているかどうか

などを歯科医師によってチェックしています

 文部科学省の令和2年度版学校保健統計によると、ムシ歯罹患率(ムシ歯になった人の割合。処置が完了している人も含む)は、幼稚園30.92%、小学校41.54%、中学校30.81%、高校39.82%で、小学校8,9歳のムシ歯罹患率が一番高く50%ちかくとなっています。

 そこで、この季節の学校検診で“歯医者で診てもらってきてください”の用紙を貰わない為にも、当院では歯科医院での定期的な検診に加えて、定期的なフッ素塗布を推奨しています。

フッ素の役割

1.初期齲蝕(初期のムシ歯)の歯を元に戻す作用がある

食事をすると酸によって歯に含まれるカルシウムやリンなどのミネラルが溶け出します。しかし通常は唾液の働きで溶け出した成分を元に戻します。この働きを再石灰化といいます。この再石灰を手助けするのがフッ素です。

唾液中にフッ素イオンが存在していると溶け出したカルシウムがより多く再吸収され、再石灰化を促進し歯の修復を促進します。

2.ムシ歯菌が出す酸の生成を抑制する

フッ素はムシ歯菌の出す酸の量を抑えることができるため、酸により歯が溶かされることを抑制し、ムシ歯を予防することができます。

3.ムシ歯になりにくい強い歯の質にする

歯の再石灰化にあたり、歯の表面のエナメル質の成分とフッ素が結びついてフルオロアパタイトという、ムシ歯の酸に対して大変強い構造になります。この働きによってミネラルが溶け出しにくく、ムシ歯になりにくい強い歯になります。

フッ素塗布の時期

フッ素は生えたばかりの歯に塗布するのが、最も効果的です。
乳歯・永久歯の生えてすぐの歯はフッ素を多く取り込みやすいので、この時期にフッ素塗布をしておくと丈夫な歯になります。

乳児のムシ歯になりやすいところ

0~2歳児は上の前歯の歯と歯の間

3歳児以降は奥歯の溝、奥歯の歯と歯の間

フッ素でのムシ歯予防方法

ご家庭で毎日使用できる研磨剤、洗口液、ジェルなどがあります。いずれも濃度が低いため、ムシ歯予防効果は約10~30%と低めです。
対して、歯科医院での濃度の高い定期的なフッ素塗布の予防効果は約40~60%になります。
歯科医院では定期的な濃度の高いフッ素塗布、ご家庭では毎日使用する濃度の低い研磨剤などでフッ素を上手く併用すると良いでしょう。

“フッ素を塗っているから、ムシ歯にならない!”なんてことではありません!!

あくまで予防ですので、毎日の歯磨きと正しい食生活が大切です。
フッ素は子どもからお年寄りの方まで幅広い年齢の方に安心して応用することができます。
フッ素塗布でムシ歯予防を効果的に活用するために、1~2カ月、遅くても3カ月に一度は歯科医院でクリーニングし、フッ素塗布を行いましょう。
出来るだけ早い年齢から定期的にフッ素塗布を行い、ムシ歯知らずの、健康なお口の中にしていきましょう!フッ素配合の研磨剤・ジェルの選び方や使用方法など、お気軽に当医院の歯科医師・歯科衛生士にお尋ね下さいね。

担当:歯科衛生士 佐藤